近年“インスタグラマー”のカテゴリーは多岐にわたり、ファッション、メイク、グルメにインテリアなど、各々が発信するものは様々です。インスタグラムは発信や拡散、人と繋がるツールとして、特に若者の間で大きな影響力があるといえます。
そんな中今回は、“看護師インスタグラマー”の先駆者で、インスタグラムを通して同年代の看護師を募り、新たに看護団体「ホワイトナース」を立ち上げた坂元志保美さんに、現在に至るまでとこれからのビジョンを聞きました。
看護師インスタグラマーとしてのインスタグラムの使い方
ーそもそもインスタグラムを始めたきっかけはなんだったんですか?
坂元:2年前に仲良い友達と韓国に行った時にみんなインスタグラムをやっていて、私だけやっていないことに気づいて、やった方がいいよって言われて始めました。
ー2年前って意外と遅いですよね?(笑)
坂元:そうなんですよ。周りは5~6年前からやっている人もいて、遅すぎたんですよね(笑)未だにツイッターもやっていなくて、そういうのはうといんです。でもインスタグラムを始めた時はここまでフォロワーが増えるなんて想像もしていなくて、本当にプライベートを載せていただけでした。
ー最近はフォロワーが増えて影響力も大きくなってきたと思うのですが、インスタグラムの使い方は変わりましたか?
坂元:フォロワーが増えてくると共に、看護師さんや看護学生さんからメッセージをいただくことが増えて、看護師をやっていてもいろいろなことができるよ、とか、仕事も遊びも両立できるよっていうことを発信しようと思うようになりました。
ー個人で行っているインスタグラムの使い方で心がけていることは?
関西のみなさん地震大丈夫でしょうか?防災ナースとしていまできることは情報の発信。備えることで命を守ってくださいね。みなさん無事でありますように。東京防災アプリ無料でダウンロードできるのでみて備えてください。 #地震#防災#関西#防災ナース
坂元:仕事も本気、遊びも本気、っていうことを伝えていきたくて、なので遊びの面では海外旅行の写真とか、仕事の様子とどっちも載せるっていうのは心がけています。
あとは、正しい情報を伝えるっていうことですね。私防災ナースの資格も持っているので、大阪の地震の時もすごく問い合わせがきて、やっぱりみんなパニックになるんですよ。何の情報が正しいかわからないんですよね。だけど、防災ナースって言ったらみんな安心するじゃないですか。防災専門の看護師さんが言ってるから、この情報は正しいんだって。
そんなSNSの正しい使い方、活用っていうのを、私のインスタグラムでは意識していますね。
ーインスタグラムをやっていてよかったなと思う瞬間はありますか?
坂元:最近実感するのは、例えば自分がセミナーやるってときに、あっという間に満員になるんですよ。なにかしらビジネスを始めたときに、集客ができる。それと、インスタグラムを通して私の全てをさらけ出しているので、ちゃんとした人、信用できる人たちが集まってくれる。そういうときにインスタグラムをやっていてよかったなってすごく思いました。
新看護団体「ホワイトナース」とは
ーでは今回立ち上げられた「ホワイトナース」について、まずどういった団体なのでしょうか?
坂元:ホワイトナースは医療従事者が所属している、医療従事者の質の向上や、市民の人たちの人生がいつまでも豊かに過ごせるような社会づくりを目指す、ヘルスケアプロモーションを行う団体です。
所属している人の中で1番多いのは現場でバリバリ働いている看護師ですね。団体を設立して今2ヶ月で登録人数は250人で、そのうちの9割は私のインスタグラムのフォロワーさんなんですよ。看護師4〜5年目で20代の、このままじゃダメだなって思っている子達が多いです。
あと看護学生の子達も別で登録してもらっていて、卒業と同時にホワイトナースに登録する流れになっています。
ーホワイトナースの具体的な活動内容は?
坂元:看護師の育成をするために、今はセミナーを中心にやっているのと、年に2回医療従事者向けに予防美容、予防医療に関するイベントをやっています。
例えばスキンケアをちょっと気にかけるだけでも老化が防げたり、食事をちょっと気をつけるだけでも病気を防げるというのを医療従事者に教えて、そこからその知識を市民の皆さんに広めていただければと思っています。私たちは夜勤しているだけで老化度も違うし、がんになるリスクも普通の人と比べて3倍高くなるんですよ。だからこそ自分たちもセミナーに参加して知識を得たいという人が多いんですよね。それでこの団体に賛同してくれる人が多いんです。
だから自分のためプラス、私たち看護師の使命としてみなさんに教えるっていう2つの目的があると考えています。ちなみに次回は7月21日にメディカルビューティーセミナーというのをやらせていただく予定になっています。
ーホワイトナース設立の大きなきっかけは?
坂元:大きなきっかけは、まずは私自身が何人もの方をお看取りさせていただいた中である患者さんが、「お金も地位も名誉も得たけど、健康だけな、気をつけていればこうならなかったのに」とおっしゃったんですね。その時に、私たちって病気に対する対処療法しかしていないなと思って、そうではなくて病気にならないための看護をしたいというのを周りの看護師に話したら賛同してもらえて、設立に至ったって感じですね。
これからの活動、ビジョンについて
ーホワイトナースのこれからの展開を教えてください。
坂元:まずは賛同してくれる人をもっと増やしたいです。看護師って言ったらホワイトナースだよね、って言ってもらえるくらいに、一般の方も知っているような団体にしていきたいですね。
あとは看護師や医療従事者の方達が、セミナー講師だったり商品開発だったり、もっともっと表に出られるような機会を作って、輝けるように、ホワイトナースが後押し出来ればなと思います。そうすることで一般の方達も知識を得て、結果的に社会に貢献できたらなと。
あとは、医療の現場が「辛い」とかじゃなくて、「かっこいい」、「楽しい」っていうイメージを作っていきたいと思っています。
ーでは最後に、個人としての今後のビジョンを教えてください。
坂元:看護師は6年目になりますけど、まずはこれからも現役であり続けて、医療をもっと知っていくということですね。現役でないと看護師とは言えないと思うので。
あと、私が最も尊敬するナイチンゲールって、看護師でありながら起業家さんなんですね。なので私も今ヘルスケアに特化した会社をもう一つ立ち上げている途中なんですけど、まずはそれを成功させて、より多くの人を救いたいと思っています。女性として、看護師として、起業家として、成功を収めるっていうのと、あとは「私に出会って人生変わりました、ハッピーになりました。」っていわれる女性になりたいです。
ーインタビューは以上となります。ありがとうございました。
インスタグラムでは旅行の様子やおしゃれなカフェでの様子など、華やかなライフスタイルを送っているごく普通のインスタグラマーのようにも見える坂元さんですが、その裏では医療の現場で看護師としてフルタイムで働きながら会社を経営するなど、見えないところでの計り知れない努力や、社会をよりよくしたいという熱い想いを垣間見ることができました。
また、彼女のような実業家や医療従事者にとっても、インスタグラムはビジネスに役立つツールとして活用できるSNSであるということを、彼女の実績を持って証明してくれたように感じます。「ホワイトナース」をはじめ、今後のさらなる活躍に期待しています。